Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Leggi 三国志(八) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.604 caratteri · 391 schermate
楊儀があやしんで訊ねた。
「魏延の陣へ、お引揚げを命ぜられたそうですが、なぜですか」
「そうだ。陳倉道のほうばかりでなく、ここの陣地も引き払おうと思う」
「そして、どこへ進発なさいますか」
「いや、進むのではない、漢中へしりぞくのだ」
「はて。それがてまえには解せません」
「なぜな?」
「でも、かくの如く、蜀は勝っているところを、しかも万山の雪は解け、いよいよ士気旺盛たろうとしている矢先ではございませんか」
「さればこそ今を退く時と思うのである。魏がいたずらに守って、戦わないのは、わが病を深く知らないからだ。わが病とはほかでもない兵糧の不足。如何ともなし難い重患だが、幸いにも、敵はただその涸渇を待っていて、積極的に、わが通路を断とうとしない。――これなおわが余命のある所以だ。もし今のうちに療養に還らなければ、この大軍をして、救い難い重態に墜すであろう」
「その点は、われわれも絶えず腐心しているところですが、先頃の大捷に、だいぶ戦利品も加えましたから、なおしばらくは支えられないこともありません。そのうちに勝ち続けて、自然活路に出れば、敵産をもって、長安に攻め入るまで、食い続けられないこともないと思いますが……」