Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Leggi 三国志(八) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.604 caratteri · 391 schermate
「あちらの戦況はどうですか」と、まず訊ねた。
費は唇に悲調をたたえて語った。
「――夏五月頃から、呉の孫権は、約三十万を動員して、三方より北上し、魏を脅かすことしきりでしたが、魏主曹叡もまた合まで出陣し、満寵、田予、劉劭の諸将をよく督して、ついに呉軍の先鋒を巣湖に撃砕し、呉の兵船兵糧の損害は甚大でした。ために、後軍の陸遜は表を孫権にささげて、敵のうしろへ大迂回を計ったもののようでしたが、この計もまた、事前に魏へ洩れたため、機謀ことごとく敵に裏を掻かれ、呉全軍は遂に何らの功もあげず大挙退いてしまったのです。……どうもまことに頼みがいなき盟国というしかありませんが」
「…………」
「や? 丞相。どうなさいましたか。――急にご血色が」
「いや、さしたることはない」
「でも、お唇の色までが」
費※(「ころもへん+韋」、第3水準1-91-80)は驚いて、侍臣を呼びたてた。
人々が駈け寄ってきてみたときは、孔明は袂を以て自ら面をおおい、榻の上にうっ伏していた。
「丞相、丞相」
「いかがなさいましたか」
「お心をたしかにして下さい」
諸将も来て、共に掻い抱き、静室に移して、典医に諮り、あらゆる手当を尽した。