Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Leggi 大岡越前 (おおおかえちぜん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 218.436 caratteri · 437 schermate

Aozora Bunko

夜目にはただ長い長い塀の線が果てなく闇を縫っているとしか見えない。世に聞えた中野の原のお犬小屋というのがこれらしい。

「しッ。もどろう。そっちへ行くと、番所の明りがさしている」

「いや、犬になって行け。犬になって」

「ど、どうするんだ。犬になれとは」

「こうよ。こうやって……」

と、阿能は、四ツん這いになって、柵門の際を、先に通ってみせた。

大亀も、味噌久も、それに倣って、通り越し、番所の灯をふりむいて、声なく笑いあった。

目的にかかり出した。味噌久に背負わせて来た風呂敷には、犬どもの食欲をそそるにちがいない魚肉の揚団子が大きな魚籠にいっぱい入っていた。味噌久を踏み台にして、阿能十が板囲いの内をのぞく。そして大亀の手から揚団子をうけ取っては、つぶてのように中の広場へそれを撒いてあるくという段取だ。

「阿能さん、もう品切れだぜ」

「なくなったか。よし」

と、味噌久の背をとび降りて、

「――夜明けを待とう。どこかそこらの木の上で」

と、あたりの喬木を見まわした。

「ここらが、手頃」

と、阿能十は、高い赤松の梢をめがけて、もうよじ登っていた。

大亀も、隣の大木へ登りかけたが、ふと、味噌久のうろうろ姿を見て、