Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しょうせつ ほととぎす

小説 不如帰 

徳冨 蘆花

Leggi 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) di 徳冨 蘆花 (とくとみろか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.742 caratteri · 256 schermate

Aozora Bunko

疲れたろう。そろそろ帰らなくもいいかい」

二人は浜尽きて山起こる所に立てるなり。

「不動まで行きましょう、ね――イイエちっとも疲れはしませんの。西洋まででも行けるわ」

「いいかい、それじゃそのショールをおやりな。岩がすべるよ、さ、しっかりつかまって」

武男は浪子をたすけ引きて、山の根の岩を伝える一条の細逕を、しばしば立ちどまりては憩いつつ、一丁あまり行きて、しゃらしゃら滝の下にいたりつ。滝の横手に小さき不動堂あり。松五六本、ひょろひょろと崖より秀でて、斜めに海をのぞけり。

武男は岩をはらい、ショールを敷きて浪子を憩わし、われも腰かけて、わが膝を抱きつ。「いい凪だね!」

海は実に凪げるなり。近午の空は天心にいたるまで蒼々と晴れて雲なく、一碧の海は所々練れるように白く光りて、見渡す限り目に立つ襞だにもなし。海も山も春日を浴びて悠々として眠れるなり。

「あなた!」

「何?」

「なおりましょうか」

「エ?」

「わたくしの病気」

「何をいうのかい。なおらずにどうする。なおるよ、きっとなおるよ」

浪子は良人の肩に倚りつ、「でもひょっとしたらなおらずにしまいはせんかと、そう時々思いますの。