Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しょうせつ ほととぎす

小説 不如帰 

徳冨 蘆花

Leggi 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) di 徳冨 蘆花 (とくとみろか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.742 caratteri · 256 schermate

Aozora Bunko

よろしい。わかいました」

うなずきて、手もと近く燃えさがれる葉巻をテーブルの上なる灰皿にさし置きつつ、腕を組みぬ。

山木は踏み込めるぬかるみより手をとりて引き出されしように、ほっと息つきて、額上の汗をぬぐいつ。

「さようでございます。実もって申し上げにくい事でございますが、その、どうかそこの所をあしからず――」

「で、武男君はもう帰られたですな?」

「いや、まだ帰りませんでございますが、もちろんこれは同人承知の上の事でございまして、どうかあしからずその――」

「よろしい」

中将はうなずきつ。腕を組みて、しばし目を閉じぬ。思いのほかにたやすくはこびけるよ、とひそかに笑坪に入りて目をあげたる山木は、目を閉じ口を結びてさながら睡れるごとき中将の相貌を仰ぎて、さすがに一種の畏れを覚えつ。

「山木君」

中将は目をみひらきて、山木の顔をしげしげと打ちながめたり。

「はッ」

「山木君、あなたは子を持っておいでかな」

その問いの見当を定めかねたる山木はしきりに頭を下げつつ「はッ。愚息が一人に――娘が一人でございまして、何分お引き立てを――」

「山木君、子というやつはかわい者じゃ」