Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しょうせつ ほととぎす

小説 不如帰 

徳冨 蘆花

Leggi 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) di 徳冨 蘆花 (とくとみろか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.742 caratteri · 256 schermate

Aozora Bunko

「旦那様のおとり遊ばしたのには、杪がどっさりまじっておりましてございますよ」と、女中が口を出す。

「ばかを言うな。負け惜しみをするね。ははは。今日は実に愉快だ。いい天気じゃないか」

「きれいな空ですこと、碧々して、本当に小袖にしたいようでございますね」

「水兵の服にはなおよかろう」

「おおいい香! 草花の香でしょうか、あ、雲雀が鳴いてますよ」

「さあ、お鮓をいただいてお腹ができたから、もうひとかせぎして来ましょうか、ねエ女中さん」と姥の幾は宿の女を促し立てて、また蕨採りにかかりぬ。

「すこし残しといてくれんとならんぞ――健な姥じゃないか、ねエ浪さん」

「本当に健でございますよ」

「浪さん、くたびれはしないか」

「いいえ、ちっとも今日は疲れませんの、わたくしこんなに楽しいことは始めて!」

「遠洋航海なぞすると随分いい景色を見るが、しかしこんな高い山の見晴らしはまた別だね。実にせいせいするよ。そらそこの左の方に白い壁が閃々するだろう。あれが来がけに浪さんと昼飯を食った渋川さ。それからもっとこっちの碧いリボンのようなものが利根川さ。あれが坂東太郎た見えないだろう。それからあの、赤城の、こうずうと夷とる、それそれ煙が見えとるだろう、あの下の方に何だかうじゃうじゃしてるね、あれが前橋さ。