Classici giapponesi con furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Leggi 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) di 徳冨 蘆花 (とくとみろか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.742 caratteri · 256 schermate
鎮遠またよく旗艦を護して、二大鉄艦巍然山のごとくわれに向かいつ。わが本隊の五艦は今や全速力をもって敵の周囲を駛せつつ、幾回かめぐりては乱射し、めぐりては乱射す。砲弾は雨のごとく二艦に注ぎぬ。しかも軽装快馬のサラセン武士が馬をめぐらして重鎧の十字軍士を射るがごとく、命中する弾丸多くは二艦の重鎧にはねかえされて、艦外に破裂し終わりつ。午後三時二十五分わが旗艦松島はあたかも敵の旗艦と相並びぬ。わがうち出す速射砲弾のまさしく彼が艦腹に中りて、はねかえりて花火のごとくむなしく艦外に破裂するを望みたる武男は、憤りに堪え得ず、歯をくいしばりて、右の手もて剣の柄を破れよと打ちたたき、
「分隊長、無念です。あ……あれをごらんなさい。畜生ッ!」
分隊長は血眼になりて甲板を踏み鳴らし
「うてッ! 甲板をうて、甲板を! なあに! うてッ!」
「うてッ!」武男も声ふり絞りぬ。
歯をくいしばりたる砲員は憤然として勢い猛く連べ放ちに打ち出しぬ。
「も一つ!」
武男が叫びし声と同時に、霹靂満艦を震動して、砲台内に噴火山の破裂するよと思うその時おそく、雨のごとく飛び散る物にうたれて、武男はどうと倒れぬ。