Classici giapponesi con furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Leggi 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) di 徳冨 蘆花 (とくとみろか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.742 caratteri · 256 schermate
どこからだね?」
小使いが読める差し出し人は、聞きも知らぬ人の名なり。
「ちょっとあけてもらおうか」
油紙を解けば、新聞、それを解けば紫の包み出でぬ。包みを解けば出でたり、ネルの単衣、柔らかき絹物の袷、白縮緬の兵児帯、雪を欺く足袋、袖広き襦袢は脱ぎ着たやすかるべく、真綿の肩ぶとんは長き病床に床ずれあらざれと願うなるべし。箱の内は何ぞ。莎縄を解けば、なかんずく好める泡雪梨の大なるとバナナのあざらけきとあふるるまでに満ちたり。武男の心臓の鼓動は急になりぬ。
「手紙も何もはいっていないかね?」
彼をふるいこれを移せど寸の紙だになし。
「ちょいとその油紙を」
包み紙をとりて、わが名を書ける筆の跡を見るより、たちまち胸のふさがるを覚えぬ。武男はその筆を認めたるなり。
彼女なり。彼女なり。彼女ならずしてたれかあるべき。その縫える衣の一針ごとに、あとはなけれどまさしくそそげる千行の涙を見ずや。その病をつとめて書ける文字の震えるを見ずや。
人の去るを待ち兼ねて、武男は男泣きに泣きぬ。
*
もとより涸れざる泉は今新たに開かれて、武男は限りなき愛の滔々としてみなぎるを覚えつ。