Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しょうせつ ほととぎす

小説 不如帰 

徳冨 蘆花

Leggi 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) di 徳冨 蘆花 (とくとみろか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.742 caratteri · 256 schermate

Aozora Bunko

その咳嗽を聞いて連夜ねむらぬ父中将のわが枕べに来るごとに、浪子はほのかに笑みて苦しき息を忍びつつ明らかにもの言えど、うとうととなりては絶えず武男の名をば呼びぬ。

*

今日明日と医師のことに戒めしその今日は夕べとなりて、部屋部屋は燈あまねく点きたれど、声高にもの言う者もなければ、しんしんとして人ありとは思われず。今皮下注射を終えたるあとをしばし静かにすとて、廊下伝いに離家より出で来し二人の婦人は、小座敷の椅子に倚りつ。一人は加藤子爵夫人なり。今一人はかつて浪子を不動祠畔に救いしかの老婦人なり。去年の秋の暮れに別れしより、しばらく相見ざりしを、浪子が父に請いて使いして招けるなり。

「いろいろ御親切に――ありがとうございます。姪も一度はお目にかかってお礼を申さなければならぬと、そう言い言いいたしておりましたのですが――お目にかかりまして本望でございましょう」

加藤子爵夫人はわずかに口を開きぬ。

答うべき辞を知らざるように、老婦人はただ太息つきて頭を下げつ。ややありて声を低くし

「で――はどちらにおいでなさいますので?」

「台湾にまいったそうでございます」