Classici giapponesi con furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Leggi 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) di 徳冨 蘆花 (とくとみろか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.742 caratteri · 256 schermate
熱せる耳を冷ややかなる夕風に吹かせつつ、人なき方をたどりしなり。
武男が舅中将より千々岩に関する注意を受けて帰りし両三日後、鰐皮の手かばんさげし見も知らぬ男突然川島家に尋ね来たり、一通の証書を示して、思いがけなき三千円の返金を促しつ。証書面の借り主は名前も筆跡もまさしく千々岩安彦、保証人の名前は顕然川島武男と署しありて、そのうえ歴々と実印まで押してあらんとは。先方の口上によれば、契約期限すでに過ぎつるを、本人はさらに義務を果たさず、しかも突然いずれへか寓を移して、役所に行けばこの両三日職務上他行したりとかにて、さらに面会を得ざれば、ぜひなくこなたへ推参したる次第なりという。証書はまさしき手続きを踏みたるもの、さらに取り出したる往復の書面を見るに、違う方なき千々岩が筆跡なり。事の意外に驚きたる武男は、子細をただすに、母はもとより執事の田崎も、さる相談にあずかりし覚えなく、印形を貸したる覚えさらになしという。かのうわさにこの事実思いあわして、武男は七分事の様子を推しつ。あたかもその日千々岩は手紙を寄せて、明日山木の宴会に会いたしといい越したり。
その顔だに見ば、問うべき事を問い、言うべき事を言いて早帰らんと思いし千々岩は来たらず、しきりに波立つ胸の不平を葉巻の煙に吐きもて、武男は崖道を上り、明竹の小藪を回り