Classici giapponesi con furigana
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うきふね
文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集
泉 鏡花
Leggi 文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集 (うきふね) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 32.938 caratteri · 67 schermate
まくり手には、鉄の如意かと思う、……しかも握太にして、丈一尺ばかりの木棍を、異様に削りまわした――憚なく申すことを許さるるならば、髣髴として、陽形なるを構えている。
――槙真三は、ここへ来る、停車場を下りた処で、実は一度、この大坊主に出会った。居処は違ったらしいが、おなじ電車から、一歩おくれて、のっしのっしと出たのである。――馴切った、土地の人らしいのが三四人、おりると直ぐに散ったほかは、おなじ向きに緑軒へ志すらしいものの影も見えなかった。思いのほかで。……夜あかしだと聞く怪談には、この時刻が出盛りで、村祭の畷ぐらいは人足が落合うだろう。俥も並んでいるだろう、……は大あて違い。ただの一台も見当らない。前の広場も暗かった。
改札口を出たまでで、人に聞かぬと、東西を心得ぬ、立淀んで猶予う処へ、顕われたのが大坊主で、
「やあ、君。」
と、陣笠なりの汚れくさったパナマを仰向けて、
「緑軒の連中じゃあないかな――俺も此処ははじめてだ。乗った電車から戻り気味に、逆に踏切を一つ越すッてこッたで、構わずその方角へ遣つけよう。……半分寝ている煙草屋なんぞで道を訊くのもごうはらだからな。