Classici giapponesi con furigana
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れもん
檸檬・ある心の風景 他二十編
Leggi 檸檬・ある心の風景 他二十編 (れもん) di Kajii Motojirō (梶井 基次郎) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 127.934 caratteri · 263 schermate
美しい午前の日光が葉をこぼれている。笹鳴きは口の音に迷わされてはいるが、そんな場合のカナリヤなどのように、機微な感情は現わさなかった。食欲に肥えふとって、なにか堅いチョッキでも着たような恰好をしている。――堯が模ねをやめると、愛想もなく、下枝の間を渡りながら行ってしまった。
低地を距てて、谷に臨んだ日当りのいいある華族の庭が見えた。黄に枯れた朝鮮芝に赤い蒲団が干してある。――堯はいつになく早起きをした午前にうっとりとした。
しばらくして彼は、葉が褐色に枯れ落ちている屋根に、つるもどきの赤い実がつややかに露われているのを見ながら、家の門を出た。
風もない青空に、黄に化りきった公孫樹は、静かに影を畳んで休ろうていた。白い化粧煉瓦を張った長い塀が、いかにも澄んだ冬の空気を映していた。その下を孫を負ぶった老婆が緩りゆっくり歩いて来る。
堯は長い坂を下りて郵便局へ行った。日の射し込んでいる郵便局は絶えず扉が鳴り、人びとは朝の新鮮な空気を撒き散らしていた。堯は永い間こんな空気に接しなかったような気がした。
彼は細い坂を緩りゆっくり登った。山茶花の花ややつでの花が咲いていた。