Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
れもん
檸檬・ある心の風景 他二十編
Leggi 檸檬・ある心の風景 他二十編 (れもん) di Kajii Motojirō (梶井 基次郎) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 127.934 caratteri · 263 schermate
四
「あんた一緒に帰らへんのか」
女は身じまいはしたが、まだ愚図ついていた。「まあ」と思い、彼は汗づいた浴衣だけは脱ぎにかかった。
女は帰って、すぐ彼は「ビール」と小婢に言いつけた。
ジュ、ジュクと雀の啼声が樋にしていた。喬は朝靄のなかに明けて行く水みずしい外面を、半分覚めた頭に描いていた。頭を挙げると朝の空気のなかに光の薄れた電燈が、睡っている女の顔を照していた。
花売りの声が戸口に聞こえたときも彼は眼を覚ました。新鮮な声、と思った。榊の葉やいろいろの花にこぼれている朝陽の色が、見えるように思われた。
やがて、家々の戸が勢いよく開いて、学校へ行く子供の声が路に聞こえはじめた。女はまだ深く睡っていた。
「帰って、風呂へ行って」と女は欠伸まじりに言い、束髪の上へ載せる丸く編んだ毛を掌に載せ、「帰らしてもらいまっさ」と言って出て行った。喬はそのまままた寝入った。
四
喬は丸太町の橋の袂から加茂磧へ下りて行った。磧に面した家々が、そこに午後の日蔭を作っていた。
護岸工事に使う小石が積んであった。それは秋日の下で一種の強い匂いをたてていた。荒神橋の方に遠心乾燥器が草原に転っていた。