Classici giapponesi con furigana
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れもん
檸檬・ある心の風景 他二十編
Leggi 檸檬・ある心の風景 他二十編 (れもん) di Kajii Motojirō (梶井 基次郎) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 127.934 caratteri · 263 schermate
昼と夜
彼はある日城の傍の崖の蔭に立派な井戸があるのを見つけた。
そこは昔の士の屋敷跡のように思えた。畑とも庭ともつかない地面には、梅の老木があったり南瓜が植えてあったり紫蘇があったりした。城の崖からは太い逞しい喬木や古い椿が緑の衝立を作っていて、井戸はその蔭に坐っていた。
大きな井桁、堂々とした石の組み様、がっしりしていて立派であった。
若い女の人が二人、洗濯物を大盥で濯いでいた。
彼のいた所からは見えなかったが、その仕掛ははね釣瓶になっているらしく、汲みあげられて来る水は大きい木製の釣瓶桶に溢れ、樹々の緑が瑞みずしく映っている。盥の方の女の人が待つふりをすると、釣瓶の方の女の人は水をあけた。盥の水が躍り出して水玉の虹がたつ。そこへも緑は影を映して、美しく洗われた花崗岩の畳石の上を、また女の人の素足の上を水は豊かに流れる。
羨ましい、素晴しく幸福そうな眺めだった。涼しそうな緑の衝立の蔭。確かに清冽で豊かな水。なんとなく魅せられた感じであった。
きょうは青空よい天気
まえの家でも隣でも
水汲む洗う掛ける干す。
国定教科書にあったのか小学唱歌にあったのか、少年の時に歌った歌の文句が憶い出された。