Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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れもん

檸檬・ある心の風景 他二十編

梶井 基次郎

Leggi 檸檬・ある心の風景 他二十編 (れもん) di Kajii Motojirō (梶井 基次郎) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 127.934 caratteri · 263 schermate

Aozora Bunko

「なんやらヒヨヒヨした鳥やわ」

「そんなら鵯ですやろうかい」

吉田は母親がそれを鵯に極めたがってそんな形容詞を使うのだということがたいていわかるような気がするのでそんな返事をしたのだったが、しばらくすると母親はまた吉田がそんなことを思っているとは気がつかずに、

「なんやら毛がムクムクしているわ」

吉田はもう癇癪を起こすよりも母親の思っていることがいかにも滑稽になって来たので、

「そんなら椋鳥ですやろうかい」

と言って独りで笑いたくなって来るのだった。

そんなある日吉田は大阪でラジオ屋の店を開いている末の弟の見舞いをうけた。

その弟のいる家というのはその何か月か前まで吉田や吉田の母や弟やの一緒に住んでいた家であった。そしてそれはその五六年も前吉田の父がその学校へ行かない吉田の末の弟に何か手に合った商売をさせるために、そして自分達もその息子を仕上げながら老後の生活をしていくために買った小間物店で、吉田の弟はその店の半分を自分の商売にするつもりのラジオ屋に造り変え、小間物屋の方は吉田の母親が見ながらずっと暮らして来たのであった。それは大阪の市が南へ南へ伸びて行こうとして十何年か前までは草深い田舎であった土地をどんどん住宅や学校、病院などの地帯にしてしまい、その間へはまた多くはそこの地元の百姓であった地主たちの建てた