Classici giapponesi con furigana
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れもん
檸檬・ある心の風景 他二十編
Leggi 檸檬・ある心の風景 他二十編 (れもん) di Kajii Motojirō (梶井 基次郎) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 127.934 caratteri · 263 schermate
それは吉田が自分の母親がこれまでめったにそんなことを言う人間ではなかったことを信じていたからで、その母親が今そんなことを言い出しているかと思うとなんとなく妙な頼りないような気持になって来るのだった。そして母親がそれをすすめた人間からすでに少しばかりそれをもらって持っているのだということを聞かされたとき吉田はまったく嫌な気持になってしまった。
母親の話によるとそれは青物を売りに来る女があって、その女といろいろ話をしているうちにその肺病の特効薬の話をその女がはじめたというのだった。その女には肺病の弟があってそれが死んでしまった。そしてそれを村の焼場で焼いたとき、寺の和尚さんがついていて、
「人間の脳味噌の黒焼きはこの病気の薬だから、あなたも人助けだからこの黒焼きを持っていて、もしこの病気で悪い人に会ったら頒けてあげなさい」
そう言って自分でそれを取り出してくれたというのであった。吉田はその話のなかから、もうなんの手当もできずに死んでしまったその女の弟、それを葬ろうとして焼場に立っている姉、そして和尚と言ってもなんだか頼りない男がそんなことを言って焼け残った骨をつついている焼場の情景を思い浮かべることができるのだったが、その女がその言葉を信じてほかのものではない自分の弟の脳味噌の黒焼きをいつまでも身近に持ってい