Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうこんさんじゅうし

求婚三銃士

佐々木 邦

Leggi 求婚三銃士 (きゅうこんさんじゅうし) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.326 caratteri · 330 schermate

Aozora Bunko

横取り仲人

「はあ」

「持久戦なら実力者が当然勝つ。もうソロ/\何とか旗色が分りそうなものだが」

「形勢渾沌でございます」

「一つ何かやったら何うだろう? 唯待ってばかりいたんじゃ、埓が明かん」

「策の施しようがないんです。塹壕戦ですね、先ず」

「よし。考えて置こう」

「何分宜しく」

と瀬戸君もいつも同じことだった。橋本家の様子を伝えて、それから世間話のお相手をする。閣下の前で謡曲をやって直して貰うこともある。

或晩、瀬戸君が辞し去った後、

「何うだろうね? 瀬戸は」

と溝淵閣下が奥さんに話しかけた。

「何でございますか?」

「あれは陸軍なら軍刀組だ。申分ない」

「本当にハキ/\していらしって、頭の好いお方のようでございます」

「何うだろうね?」

「はあ?」

「富士子の婿に」

「まあ!」

と奥さんは全く意外だった。

「丁度好いようじゃないか?」

「しかしお仲人を引受けていらっしゃるんですから」

「いや、構わん。横取り仲人だ」

「そんなこと」

「一体三人の中から一人選ばせるなんて、橋本君も贅沢の沙汰だ。計略を用いて取ってしまう」

「大変でございますよ」

「いや、俺は初めから考えていたんだ。第一、同郷で身許が分っている。