Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうこんさんじゅうし

求婚三銃士

佐々木 邦

Leggi 求婚三銃士 (きゅうこんさんじゅうし) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.326 caratteri · 330 schermate

Aozora Bunko

保険どころじゃない奴こそ保険の必要があるんだ」

「ナカ/\巧いや」

「一体ボーナスは幾つだい?」

「…………」

「皆取ってしまっちゃ可哀そうだから、半期丈けで宜い。五十五円で半期に一つ半なら……」

「おい。聞えるよ」

「うむ」

「よしてくれ」

「それじゃその中に君のところへ行って、ゆっくり話そう。何処だい?」

「待ち給え」

と安達君は釣革から手を放して、名刺を出した。肩書つきだった。拵えたばかりで初めて使う。

「有難う。自宅は、下宿かい? 大谷方ってのは」

「郷里の先輩の家だ」

「方は名刺に書くものじゃないよ」

「僕も少し具合が悪いと思ったけれど、書かないと、郵便が来ない」

「まだ書留を当てにしている方だね」

「当り前さ、まだ一遍も貰わないんだから」

「書留だって何だって来る」

「来ないよ」

「智慧がないんだね。名札を出して置くのさ。方なんて書いたんじゃ信用がつかない。番地丈けにして置けば、堂々たる構えだと思って貰える。僕のを見給え。これで矢っ張り素人屋だけれど、然うは見えまい」

と言って、村上君も、参考の為めに一枚出した。

「何だい? 電話があるのかい? これは堂々たるものだ」

「この調子で行かなければいけない」