Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Leggi 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 188.242 caratteri · 380 schermate

Aozora Bunko

孤子となった庄三郎は、同族土屋右衛門が、快く引き取って養育したが、父母のない子はどこか寂しくどこか偏したものであって文にも秀で、武にも勝れ母に似て容姿も美しく天晴れ優美な若武士であったが、いわゆる詩人的気稟とでも云おうか、憂鬱であってしかも快活、真面目であってしかも滑稽、そうしていつも瞑想的で現実の事を好まなかった。

庄三郎はよく云った。

「……ね、俺はこう思うのだ。俺の両親は活きているよ。しかし一緒には住んでいまい。自由に別々に住んでいるだろう。父は父らしい活方でね。母は母らしい活方でさ。そうして主水叔父さんも云うまでもなく活きているのさ。ああ俺には主水叔父さんがどんなに懐しく思われるだろう! 歌人だったというのだからね。しかし無論父や母はそれにも増して恋しいよ。どうぞ一度逢いたいものだ。俺は堅く信じているよ。いずれはきっと逢えるものだとね。見るがいい美しいあの雲を! 夕陽に輝いているじゃないか。あの雲の奥にいるのだよ。父と母と叔父とがね」

土屋庄三郎昌春は、翌朝早く眼を醒ますと枕上へ眼をやった。紅巾がちゃんと置いてある。

「うむ、夢ではなかったか」