Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Leggi 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 188.242 caratteri · 380 schermate

Aozora Bunko

刀の柄に手が掛かった。ブルッと彼は身顫いしたが、みるみる精気が全身に充ちた。と刀が鞘走り、その切っ先から鍔際まであたかも氷の棒かのように、月の光に白み渡ったが、

「行者!」

と一声呼び掛けた。起き上がるところを一刀に首を斬ろうとしたのであった。

光明優婆塞は動かなかった。

「起きろ!」

とまたも声を掛けた。しかし優婆塞は起きなかった。

「エイ」と三度目の掛け声と共に颯と切り下した太刀先が優婆塞の肩へ触れようとした時、忽然宙で支えられた。

「不思議だな。俺には斬れない」

その時優婆塞は立ち上がった。

こうして兇暴な殺人鬼と、聖者とは顔を見合せた。静まり極わまった夜の高原、虫が無心に唄っている。二人の間を吹き通るのは、涼しい暁の風である。

と、優婆塞はおもむろに云った。

「お前は誰だ? なんの用がある?」

「名前ぐらいは聞いていよう、俺は三合目陶器師だ」

「かねて噂は聞いている。ああお前が陶器師か」

「お前は誰だ? 名を宣れ」

「世間の人は私のことを、光明優婆塞と呼んでいる」

これを聞くと陶器師は思わず一足後ろへ引いた。そうしてつくづく相手を見たが、

「そうではあるまい。