Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Leggi 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 188.242 caratteri · 380 schermate

Aozora Bunko

「右門! 現われたぞ! 火柱が!」

叫ぶと一緒に小次郎は、ピッタリ屋根棟に腹這いになった。

「うむ。……よし来た! 合点だ!」

馬場屋敷の家棟から、すぐに右門の声がした。後は呼吸の音さえしない。

火柱はダンダン近寄って来た。

動くに連れて土塀の面が、光を映してボッと明るみ、通り過ぎるに従って、ふたたび闇に埋もれた。三枝屋敷を通り過ぎると、火柱は暫時立ち止まった。南北に通ずる小路があり、どっちへ行こうかと迷っているらしい。が、どっちへも曲がらずに同じ道を真っ直ぐに、内藤屋敷の方角へ、やがてソロソロと歩いて来た。

その南側は内藤家の土塀、その北側は低い堤、堤の上の松並木、火柱が過ぎるに従って、一つ一つ次々に、松の老幹が輝いた。

内藤屋敷の土塀が尽きると、南北に通っている柳町通りで、その四辻で火柱は、またしばらく佇んだ。

風が四辻から吹いて来た。

火柱の主――仮面の城主! 城主の着ている纐纈の袍の袖や裳裾が風に煽られ、グルグルグルグル渦巻く様は、火柱が四方八方へ、あたかも焔を翻えすようであった。裾からニョッキリはみ出しているのは、白布を巻いた二本の足で、袖からダラリと垂れ下がっているのは、白布を巻いた双の腕、火焔の中に蝋燭が四方浮き上がっているようであった。