Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Leggi 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 188.242 caratteri · 380 schermate
「一刀両断! 刃の錆じゃ」
「この浮世には不義も裏切りもいくらもあるのではござらぬかな」庄三郎は冷やかに訊く。
「直接この身に関係ある不義よ」
陶器師の言葉も冷やかであった。それから静かに手を振った。
「用はござらぬ。お通りなされ。今日も日が暮れる。富士が曇って来た。どれ一休み」
と云ったかと思うと竈の前へゴロリと寝た。と、その顔に浮かんだのは見るも悲痛の苦悶であり、寂しい寂しい懺悔であった。
庄三郎は呟いた。
「主君の言葉に偽りはない。血吸鬼! 殺人狂!」
庄三郎は立ち上がった。それから裾野を横切った。間もなく姿は芒に隠れ、後は森然と静かである。
夕陽が華やかに野を照らした。富士が瑪瑙色に輝いて来た。物の蔭が紫になり、森や林の落とす影が見る間にズンズン延びて行く。
その時サーッと風の音がした。しかしそれは風ではない。丈なす菅草を踏み分けて麓の方から駈け上がって来る二騎の騎馬武者の音であった。腹巻の上に引き纏った紅の掛け布が斜陽に射られて血のように深紅に輝くのが荒涼たる曠野と相映じ一種の鬼気を呼び起こす。
「オ――イ!」
と一人の武士が呼ぶ。
「北条内記殿! 陶器師殿!」