Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate

Aozora Bunko

「そうだよ。あのとき、きみは紙しばいのじいさんに化けて、ぼくにねむり薬のはいったオレンジエードをのませただろう。そして、ぼくがすこしも気づかないうちに、べつのうちへ、はこんだんだろう。」

「べつのうちにしては、部屋のようすが、すっかり同じだったね。」

「でも、向きがちがっていた。はじめの部屋の窓は西向きで、あとの部屋の窓は東向きだった。まったく同じかっこうの建物が二つあるんだ、ねえ、先生、そうですね。」

「そうだよ。ぼくは魔法博士の部下に化けて、麻酔薬のおせわにならないで、ここへ来たから、この目で見て、よくわかっている。ここは天野勇一君の近所の、あの洋館ではない。ここは世田谷区ではなくて、横浜の山の手なんだよ。外から見たところも、中の間どりも、ふたごのように、まったく同じ洋館が二つあるんだ。だから、世田谷のほうを、いくらさがしても、白い部屋も、虎の檻も、何もなかったわけだよ。

さいしょブラック・マジックをやって見せたのは世田谷の洋館、それからあとの出来事は、みんなこの横浜の洋館でおこったのだ。花田君は、はじめ横浜のほうへつれてこられ、それから麻酔薬で寝むらされて、自動車で世田谷の洋館の前にはこばれ、そこの草の中へほうりだされていたんだよ。