Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate

Aozora Bunko

そうして、しばらく待っていますと、青いスカートに、はでな黄色のセーターを着た美しい文代さんが、ニコニコしながら、はいってきました。

「お帰りなさい。おつかれでしょう。心配してましたわ。二十面相、また逃げましたの?」

「ウン、例によって、てごわいあいてだよ。それでね、ぼくたちは、いそいで、この事務所を、からっぽにしなければならないんだ。きみとぼくと、一日だけ、ちょっとべつの場所へ、避難するんだ。むろん、これは、あいつをつかまえる作戦なんだよ。」

「マア、どこへ行きますの?」

「たいして遠くじゃない。自動車も待たせてある。」

そこへ、女中が紅茶をはこんできました。にせの明智は、わざわざ戸口まで行って、そのぼんを受けとり、女中をたちさらせると、パタンとドアをしめましたが、そこから、もとのイスへ帰るあいだに、文代さんに背をむけて、てばやくポケットから、小さなビンを取りだし、その中の白い粉を、紅茶茶碗の一つに入れて、サジでかきまわしました。まるで手品師のような、早わざです。

そして、なにくわぬ顔で、もとのイスにもどると、紅茶のぼんをテーブルにおき、

「大いそぎだが、お茶をのむひまぐらいはある。