Classici giapponesi con furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate
消えたかと思うと、とつぜん、穴のそとから「ギャッ。」という、ふしぎなさけび声がして、何か物のぶっつかるような、はげしい音がきこえてきました。
それから、しばらく、あたりはシーンと、しずまりかえっていましたが、見ると、そのかべの穴から、ニューッと、ズボンをはいた足が出て、やがて、ひとりの洋服を着た男があらわれました。
少年たちは、ろう人形の怪物が、また洋服を着て、もどってきたのかと、ギョッとしましたが、それは怪物ではなくて、さいぜんの第三の尾行者、あの新聞記者ふうの紳士でした。
「ウーム、うまく逃げられてしまった。あいつ、なかなかたいした力だぞ……。なあに、もう正体を見とどけたから、だいじょうぶだ。いまにきっと、ひっとらえてくれるから。」
紳士は、そんなひとりごとを、つぶやいていましたが、れんがのかげに身をふせているふたりの少年のほうにむきなおると、
「きみたち、もうだいじょうぶだよ。出てきたまえ。あいつは逃げてしまった。」
と、大きな声で、呼びかけました。
そう言われても、ふたりの少年はあまりのおそろしさに、からだが石のようになり、身うごきはもちろん、声をだすことさえできません。