Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate

Aozora Bunko

このあいだから世間をさわがせている、空気男のしわざではないかと考えたが、手がかりというものが少しもないのだから、どうすることもできない。

この事件が新聞記者の耳にはいったのは、けさだった。だから、朝刊にはまにあわなかったが、夕刊にはデカデカとその記事が出ているよ。うちへ帰ったら見てごらん。「前代未聞の怪事件、空気男銀座にあらわる」というのだ。

東洋新聞では、ぼくがこの事件をうけもつことになった。夕刊の記事を書いたのもぼくだ。ぼくはどうかして、空気男の正体をつきとめてやろうと、けさから、めちゃくちゃに、あるきまわっていたんだよ。そして運よく、あのろう仮面のやつを見つけた。あれが空気男だとは思わなかった。しかし、ろう人形が町をあるいているんだから、新聞記者として、これを見のがすわけにはいかない。ぼくはきみたちよりもまえから、あいつを尾行していた。

ところが、あいつは骨董屋のショーウィンドーをのぞきこんだ。まんなかにある仏像をにらみつけたまま、動かない、ぼくはそのときはじめて、こいつはおかしいぞと思った。ひょっとしたら、あのろう仮面の中は、からっぽじゃないかしら。