Classici giapponesi con furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate
テーブルとイスのほかには、なんの道具もなく、一方のかべに、むかしふうの大きな暖炉がついているのが、ただ一つのかざりでした。
怪老人は、明智のたおれこんでいる、安楽イスの前を、いったりきたりしながら、なおもしゃべりつづけます。
「わしはうそは言わん。電話でちゃんと警告しておいた。きみはそれをバカにして、警視庁へいこうとしたので、たちまち、こんなめにあったのだ。いまこそ、わしの力がわかったじゃろう。え、明智先生、なんとか言ったらどうだね。」
明智はだまって、老人をにらみつけていました。手も足も、グルグルまきに、しばられているので、ざんねんながら、どうすることもできないのです。なにを言われても、がまんしているほかはありません。
「明智君、きみはわしの大望を知っているじゃろう。それは人間をひとりずつ透明にしてゆくことだ。百人、千人、万人、透明人間の大集団をつくろうというのだ。まあ考えてみたまえ。まったく目に見えない人間の大集団が、日本じゅうを、いや、世界じゅうをあらしまわるのだ。天下無敵の透明軍だ。ああ、それを考えただけでも、わしはゾクゾクするほど、うれしくなる。