Classici giapponesi con furigana
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いあいしゅう
遺愛集
島 秋人
Leggi 遺愛集 (いあいしゅう) di 島 秋人 (しまあきと) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 50.488 caratteri · 102 schermate
安らひのみ国あるべし青澄める雲なき空の明しこの果て
誕生日祝ひて真珠のかんざしの小さきをひとつ養母に贈りぬ
ステレオを購ひしと告ぐる老父の笑み詫ぶべきわれを明るくしたり
手振りして生活の楽になりし云ふ老父を金網ごし眺てはうれしき
老けたまふ父の言葉に知らされてわが知る故里は遠くなりたり
背を見せ帰りゆく老父ドアに来てつまづくときをへだつ金網あり
部屋ふかく差す陽を温み文鳥と真向ひ浴みてまみつむるなり
文鳥の欲り食むままに飯置きて食みあきるまで眺めてゐたり
虫の音を聴かずになりぬ夜を冴えて雨後の汽笛を安けく聴きぬ
よきことのひとつをしたる日の暮れて身にあふれ来る愛しさ深し
汚れなきいのちになりて死にたしと乞ふには罪の深き身のわれ
洩るる陽を優しと思ひ掌に温むちいさき冬日愛ほしみたり
わが過去にありしや高きをさなごゑ母を呼ぶこゑ獄に聴きぬ
縋れよと歌を詠めよと云ひたまふ九十の師のみふみあたたかし
文鳥のちひさきいのち呼びし掌に温みかよひて嘴紅く啼く
指をもて触れたき思ひつのらせて「ヒマラヤの花」の写真清し
しづかなる寒の朝なりあかね雲うすれつつゆき空澄みて来ぬ
眼のおよぶ限りに澄める空はあり甘しと思ひ温き日を浴む