Classici giapponesi con furigana
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いあいしゅう
遺愛集
島 秋人
Leggi 遺愛集 (いあいしゅう) di 島 秋人 (しまあきと) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 50.488 caratteri · 102 schermate
です。
僕は先生の奥様からお手紙をいただくとは夢にも思って居りませんでしたのでなお胸いっぱい感謝の気持が込み上げて来ます。又お子様達の苦心して画いた美しい図画もたくさん送って下さって本当にうれしい気持です。
お手紙を読んで居りますと先生のお宅の近所や、八坂橋の近辺のなつかしい風景が次々と憶い浮かんで来ます。「ずぼ」――何年振りで聞いた言葉でしょう。僕はすっかり忘れて居りました。なつかしい事です。思い出すとしだの葉の中に幾つかのずぼが居かれて居るのやしめった木の影にちょこんと頭を出して居るのが浮かんで来ます。八坂橋の上から秋風に釣糸を吹かせながら赤い浮木をみつめる幾人かの人達、川岸の潮風に吹かれている銀ほのすすき等、幾枚かの絵の様になつかしい風景が思い出される様です。奥様の短歌によってなつかしい香積寺の地蔵さんや薄暗いお寺の中などあれこれと子供の頃に見た事々が浮かんで来ます。僕は小学校五年の時国語の試験にレイ点を取り、その先生に叱られて足でけっとばされたり棒でなぐられたりしておそろしさに苦しまぎれのうそを云って学校から逃げ出し八坂神社の裏の草やぶや川口の岩の影にかくれて逃げまわって居た事があったので鵜川の川口べりは番神堂や米山、香積寺等の様に忘れられない柏崎の思い出の所です。