Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.725 caratteri · 298 schermate
鼻から提灯なんか出してさ、狸ならもう少し綺麗事にするものよ、――もう辰刻(八時)過ぎじゃないの、ちょいと八さんてば」
何という悩ましさ、窓から入る秋の朝陽が、しばらくカッと赤くなったほどの情景です。
「うるさいな、もう少し寝かしてくれ」
くるりと寝返りを打った八五郎。
「あら」
枕の下に入れた財布がはみ出したのを見ると、女はそっと引出して中を調べました。
「まア、ちょいと、大の男がこんな財布を持って歩くの。良い胆っ玉ね、鐚銭まで入れて六十四文、ホ、ホ、ホ、ホ、だから八さんは可愛いのさ」
女はそんな事を言いながら、長火鉢の側ににじり寄って、上から順々に抽斗を開けて見ました。それから、手箱、押入と、覗いて廻るのを、この時はもうすっかり眼の覚めた八五郎は、夜具の袖から眼ばかり出して、世にも怪奇なものを見るように覗いているのでした。
「八さん、世帯道具はこれっきりかえ」
女はまた元のところへ来てペタリと坐りました。例の悩ましき姿態。
「お前は誰だい、何だって人の家へ入って来るんだ」
起き上がって、寝巻の胸をカキ合せると、長い顔を引締めて少し屹となります。
「あら、忘れちゃいやだよ、夫婦約束までしたお吉じゃないか。