Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.455 caratteri · 290 schermate
「所、名前を訊かなかったのか」
「親分に逢ったら、申上げます――てやがる」
八五郎は少しむくれて見せました。
「いずれまた思い直して来るだろう、二三日待ってみるがいい」
「そんな暢気なことを言っているうちに、敵役は逃げてしまいますよ。何とかあの娘の家を突止める工夫はありませんか」
「たった一つある。――手前、この間の巡礼の宿を見極めて来たろうな」
「谷中の笠守様の手前、木賃宿へ入ったところまで突止めましたよ」
「よし、それが判りゃ手繰れるだろう。行ってみようか」
銭形平次とガラッ八は、昼下がりの街を真っ直ぐに飛びました。
谷中の木賃宿で、老巡礼を捉まえたのは、それから半刻(一時間)ほど後。
「何も怖がることはない。少しわけがあって、お前の身の上話が訊きたいのだよ。――お染とかいう娘のことから話してみるがいい」
平次は穏やかな調子で切出しました。この辺は三輪の万七の縄張で、番所へつれて行くとうるさいと思ったのでしょう。真昼の木賃宿のがら明きなのを幸い、裏の小部屋を一つ借りて、おどおどする老巡礼に相対したのです。
「みんな申上げます。親分さん、――私ほど因果なものはございません」