Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 137.868 caratteri · 278 schermate
呵々と気違いじみた笑いを突走らせるのは、黒髪も衣紋も滅茶滅茶に乱した妖婦お小夜、金泥に荒海を描いた大衝立の前に立ちはだかって、艶やかに邪な眼を輝かせます。
「やい、女、あの娘をどうした」
「知らない」
「いや、知っているはずだ、言えッ」
「言わない、――どうしても言わない、私達をこんな羽目に陥し込んだのはお前だろう。――その代りお前の名前を譫言に言っているあの娘は、この御殿と一緒に木端微塵に砕け散るよ。好い気味だ、――あれはお前の情人だろう。知らなくってさ、――お、もう口火は燃え切った、ホ、ホ、ホ、ホ」
「いや、俺はお静を助けてみせる」
「馬鹿なッ」
荒海の衝立、怒り狂う紺青の波頭を背にして、小袖の前を掻き乱したまま、必死の笑いに笑い狂う美女の物凄さ。物慣れた平次も、思わずタジタジと退りましたが、次第に激しくなる煙硝の匂いに、もう一度気を取り直して、毒蛇の眼のごときお小夜の瞳を、精魂こめて凝と見詰めました。
「解るまい、もう最後だ。それッ」
「いや、解った」
何を考えたか平次は、猛然としてお小夜の身体に飛び付きました。細腕を取って引退け、荒海の衝立をサッと前へ引倒すと、その背後にあるのは「御薬草」