Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 137.868 caratteri · 278 schermate
それだけ、このお絹という小娘は、好感の持てる娘だったのです。
油っ気のない髪、白粉も紅も知らぬ皮膚、山のはいった赤い帯、木綿物の地味な単衣、なに一つ取柄のないようすですが、そのつくろわぬ身扮につつんだ、健康そうな肉体と、内気な純情とは、どんな人にでも、訴えずにはおかなかったでしょう。
「姉を助けて下さい、親分さん」
「一体、どうしたのだ」
「姉は――幇間の七平を怨んでいました。あの人がお袖さんに頼まれて、余計な事を言い触らしたばかりに、菊次郎さんと切れてしまったんです」
「それで?」
「それで、七平を殺したのは、姉さんに違いない――って、三輪の親分が言います」
「フーム」
「それから、昨夜船の中で、みんな気違いみたいになったのに、姉だけ一人、平気でいたのが怪しいんですって」
「それだけの事なら、お前の姉さんを下手人にするわけにはゆくまい。外になんか手掛りがあるだろう」
三輪の万七の老獪さが、それだけの証拠でお蔦を縛らせるはずもありません。
「姉ちゃんは怪我をしていたんです」
「……?」
「手首を切って、ひどく血が出ていたんですって」
「そんな事もあるだろう、――よしよし、俺が行って覗いてやろう。