Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate
そのころでも、鮭くらい大きい鱸は、東京の料亭などへ持ってゆくと、六か七、うまいときには一〇くらいになるとのことで、いつもふところの寒い私も、そういう幸運にめぐりあいたいものと思い、何回となく干潟を歩きまわったものであるが、ついに一度もまぬけな鱸に出会うことはなかった。
さてその日、――私は私の青べかを流し放しにして、汐の中で横になり、「青巻」という本を読んでいたが、読み飽きて、ふと気がついてみると、いつか汐が干てしまい、青べかは砂上に坐っていた。私は本を置いて起き直り、あんこだまと魚煎餅を喰べ、なまぬるくなった茶を飲み、暫くぼんやりしていてから、ひとつ貝でも採ってやろうか、と独り言を呟いた。――断わっておくが、そのとき私は浜の制度についてなにも知らなかった。その沖が貝の活け場であることも、「ころがし」のことなども知らなかった。そうして青べかからおりて、なんの目算もなく干潟の砂を掘ってみると、なんと、拳くらいの大きな赤貝が幾らでも出て来た。
「すげえや」私は胸をおどらせながら叫び声をあげた、「こりゃあすげえや」
私は昂奮し、躯じゅうに幸福感が満ち溢れるのを感じた。