Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate

Aozora Bunko

「どこから来ただね」と男が云った。

私が答えると、男は振り返って私の青べかを眺め、歯をむきだして冷笑した。

「青べかを買ったのはおめえか」と男は云った、「すると蒸気河岸の先生だね」

私は肯定した。

「じゃあ信用すべえが」と男は権力の代行者のように云った、「ここは貝の活け場だ、こんなところで貝を採ったりするとただじゃ済まねえだよ」

彼は私の掘った蛤を取ると、水のあるほうへばらばらと放り投げた。やっぱりそういうことか、と私は思った。こんなことがあるわけはない、こんなに大きな赤貝や蛤がぞくぞく出て来るなんて、それだけで訝しいと気がつくべきじゃないか。私はそう思いながら、青べかのほうへ歩いていって、さっきの赤貝どもを男のするように、取っては投げ取っては投げした。蛤の解放を終った男は、たぶん私の正直さを認め、いくらか気の毒にもなったのだろう、砂の中から大きな灰色の二枚貝を掘り出すと、それを持って私のほうへ歩みよって来た。

「こいつはおーの貝ってえだ」と男はその貝を私の手に渡して云った、「これならいくら採っても構わねえだよ、そううめえってわけにゃあいかねえが、まずくって食えねえってこともねえだ、そうさ、するめに似てんべえかな、大味だがするめっくれえには食えるだよ」