Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くいどうらく

食道楽

村井 弦斎

Leggi 食道楽 (くいどうらく) di 村井 弦斎 (むらいげんさい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 167.435 caratteri · 329 schermate

Aozora Bunko

しかし酒匂の鮎が足りなくなると馬入川や狩野川の鮎を使う事がありますから随分雑種の鮓が出来ますけれども先ず酒匂の鮎ならば鮓に適しています。それも雄よりは雌の方がようございます。しかるに酒匂の鮎をフライにしたり外の料理に使うと脂肪分が寡くって骨が硬くってその味は遠く早川の鮎に及びません。早川の鮎はその代り鮓に不適当です。こういう風に料理方も魚によって適不適がありますし、季節によっても変化がなければなりません。私は貴嬢や阿父様に一番美味しい鮎を御馳走をするため近日の中に極く適当な日を択んで一番汽車へ乗って自分で釣に往って足りなければ漁夫の持っている鮎の一番上等なのを買って匂いの抜けないように山藤の葉へ包んで氷詰めにして帰って来て、その晩は氷で冷しておいて翌日に御馳走申したいと存じます。それから犢のシブレといって喉の処に極く僅かばかりある肉ですが、米国ではスウィトブレッド、甘いパンといって非常に珍重するものをお料理に使うつもりですけれどもこれは滅多にない肉で犢一頭に必ずある訳でありません。勿論その部分はあっても質の悪い犢ではその肉が生長していません。先ず犢十頭を屠ってみて三人前の料理だけが取れるか取れないかというものですからこれも屠牛場へ頼んで持って来てもらいます。