Classici giapponesi con furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Leggi 黄金仮面 (おうごんかめん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.357 caratteri · 287 schermate
覗くに極っている。とおびえる心が、そのまま形となって現われる様に、そこから、その黄金仮面が、三日月型の口で笑いながら、本当に、ヒョイと現われたではないか。
姫はその刹那、半ば意識を失って、その黄金仮面の怪物に向って、まるで仲よしのお友達ででもある様に、ニッコリと笑いかけた。極度の恐怖が――泣くことも叫ぶことも出来ぬ程の恐れが、遂に人を笑わせたのであろうか。
怪物は、姫の不思議な笑顔に誘われた様に、窓をのり越えて、ツカツカと湯殿の中へ這入って来た。顔は黄金仮面、後頭部は黒布にすっかり包まれている。身には、例のダブダブの金色外套だ。
姫は生命の危険を感じた。「早く早く、逃げなければならぬ」消えて行く意識を取戻そうと、死にもの狂いの戦いだ。
やっとの思いで、浴槽を出た彼女は、乙女の羞恥も忘れ、むき出しの赤はだかで、よろよろとドアに走った。
だが、黄金仮面は燕の素早さだ。姫が半ばも走らぬ内に、彼は已にドアの前に立ちはだかっていた。見ると怪物の右手には、黄金マントの下に隠し持っていた、鋭い短剣がギラギラと光っている。
素っぱだかの、花はずかしい姫君と、全身金色に輝く怪物の、いとも奇怪なる睨み合い。