후리가나로 읽는 일본 고전
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
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N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 119,451자 · 236화면
九
お島は長いあいだ養父母の体を揉んでから、漸と寝床につくことが出来たが、お茶屋の奥の間での、刺戟の強い今日の男女の光景を思浮べつつ、直に健やかな眠に陥ちて了った。蛙の声がうとうとと疲れた耳に聞えて、発育盛の手足が懈く熱っていた。
翌朝も養父母は、何のこともなげな様子で働いていた。
お花を連出すときも、男女の遊び場所は矢張同じお茶屋であったが、お島はお花と一緒に、浅草へ遊びにやって貰ったりした。お島はお花と俥で上野の方から浅草へ出て往った。そして観音さまへお詣りをしたり、花屋敷へ入ったりして、を消した。二人は手を引合って人込のなかを歩いていたが、矢張心が落着かなかった。
おとらは時とすると、若い青柳の細君をつれだして、東京へ遊びに行くこともあったが、内気らしい細君は、誘わるるままに素直について往った。おとらは往返りには青柳の家へ寄って、姉か何ぞのように挙動っていたが、細君は心の侮蔑を面にも現わさず、物静かに待遇っていた。
九
何時の頃であったか、多分その翌年頃の夏であったろう、その年重にお島の手に委されてあった、僅二枚ばかりの蚕が、上蔟するに間のない或日、養父とごたごたした物言の揚句、養母は着物などを着替えて、ぶらりと何処かへ出ていって了った。