일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

徳田 秋声의 あらくれ을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 119,451자 · 236화면

아오조라 문고

百十二

ステーションへつく度に、お島は待遠しいような気がいらいらいした。

山の町近くへ来たのは、午後の四時頃であった。糠のような雨が、そのあたりでも窓硝子を曇らしていた。

百十二

目ざす町に近い或小駅で、お島は乗込んで来る三四人の新しい乗客が、自分の向側へ来て坐るのを見た。

それらの人は、どこかこの近辺の温泉場へでも遊びに行って来たものらしく、汽車が動きだしてからも、手々にそんな話に耽っていた。山の町の人達の噂も、彼等の口に上ったが、浜屋々々と云う辞が、一層お島の耳についた。汽車の窓から、首をのばして彼等の見ている山の形が、ふと浜屋の記憶を彼等に喚起したのであった。その山は、そこから二三里の先の灰色の水霧のなかに幽かな姿を見せていた。

「あなた方はS――町の方のようですが、浜屋さんがどうかしましたのですか」

お島は、断々に耳につくその話に、ふと不安を感じながら訊いた。

「私は東京から、あの人に少し用事があって来たものですが、お話の様子では、あの人があの山のなかで何か災難にでも逢ったと云うのでしょうか」

遊女屋の主人か、芸者町の顔利かと云うような、それらの人たちは、みんなお島の方へその目を注いだ。