후리가나로 읽는 일본 고전
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たんどくこう
単独行
加藤 文太郎
加藤 文太郎의 単独行(たんどくこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,799자 · 222화면
にないので引返したりした。三月の終りになってやっと一度機会を掴み、氷ノ山―陣鉢山―三ツヶ谷―仏ノ尾―扇ノ山と縦走して海上に下ったが、意外に時間がかかって故郷の浜坂へついたのは夜中であった。それでも折角見舞いに帰ったのだから朝までは父のそばにいた。父はこれから帰っても大して仕事はできないのだから休んで一日おってくれというのでしたが、気の小さい私にはどうしても会社を休むことができませんでした。
その後父の病気はだんだん重くなって行くのになお山の恐ろしい力が私を誘惑する。それは前穂の北尾根と槍の北鎌尾根なので、一人では少々不安だ。そうかといって山にはなんらの興味ももっていない案内を連れて行くことは、遭難した場合のことを考えると気の弱い私にはちょっとできない。そう考えているときちらっと吉田君の顔が頭に浮んだ。吉田君は恐ろしく山に熱情をもっていて、山での死を少しも恐れてはいない。そのうえ岩登りが実にうまい。だから私は間もなく吉田君を誘惑してしまった。
今冬は非常にお天気が悪かったためか、前穂北尾根には凍った箇所はなかったが、岩登りの下手な私がブレーキになったので、第三峰の左のチムニーで露営しなければならなかった。