후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(一)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 231,525자 · 463화면
六
夏に近い太陽は、彼女の頬を果物のようにつやつやとみがきたてている。薫々とふく若葉の風は肺の中まで青くなるほどにおう。
こぼれる朝露を背にあびながら、樹蔭に潜んで彼女のすがたを眼の前に見ていた武蔵は、
(アア健康そうになったな)
すぐそこに気づいた。
七宝寺の縁がわに、いつも悄んぼりと空虚な眼をしていた頃の彼女は、決して今見るような生々した頬や眸をしていなかった。さびしい孤児の姿そのものだった。
その頃のお通には恋がなかった。あっても、ぼんやりしたものだった。どうして自分のみが孤児なのか、そればかりを仄かに怨んだり回顧したりしていた感傷的な少女だった。
だが武蔵を知って、武蔵こそほんとの男性だと信じてからの彼女は、初めて、女性の沸らす情熱というものに自身の生きがいを知り出したのである。――殊に、その武蔵を追って旅にさまよい出してからは、あらゆるものに耐え得る要素が体にも心にも養われて来た。
武蔵は、物蔭から、彼女のそうしてみがかれて来た美に眼をみはった。
(まるで違ってきた!)と。
そして彼は、どこか人のいない所に行って、洗いざらい自分の本心といおうか――煩悩といおうか――強がっているこころの裏の弱いものをいってしまって、花田橋の欄干にのこした無情に似た文字を、