후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 185,809자 · 369화면
思わないような世の中に、せめて、神領の民の中にだけでもこころの苗を植えておけば、いつかは生々とこの森のように、精神の文化が茂る日もあろうか――という、これは彼の悲壮な孤業なのであった。
むつかしい古事記や、中華の経書なども、氏富は、子どもの耳になじむように、愛と根気をもって毎日話した。
氏富が、そんなふうに、十数年、倦むことなく、教育しているせいか、この伊勢では、豊臣秀吉が関白として天下を掌握しようが、徳川家康が征夷大将軍となって、威をふるって見せようが、世間一般のように、英雄星を太陽とまちがえるような錯誤は三歳の童児も持っていない。
――今、氏富は、その学之舎のひろい床から、すこし汗ばんだ顔をして出て来た。
生徒たちは、そこを出ると、蜂の子のように帰って行った。すると一人の巫女が、
「禰宜さま。お通さまが、あちらで待っておりますよ」
と告げた。
「そうそう」
氏富は思い出して、
「呼びにやっておきながら、すっかり、忘れていた。どこへ来ているか」
お通は、学問所の外に立って、あの大小をまだ抱えたまま、先刻から氏富が子供たちへ熱心にしている話を、そこで聞いていたのであった。