일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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みやもとむさし

宮本武蔵

吉川 英治

吉川 英治의 宮本武蔵(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 185,809자 · 369화면

아오조라 문고

十一

歓びに胸おどらさずにいられなかった。

――だが、それは、女性の自分だけが前奏している歓びにすぎないことをお通はよく知っている。会ったにせよ、武蔵が、自分の一心を、どの程度までうけ容れてくれるだろうか。彼女は、武蔵に会うよろこびとともに、武蔵に会ってのかなしみにも、胸が傷んで来るのであった。

十一

坂の日蔭は土まで氷っていたが、柑子坂を降ると、冬でも蠅がいるほど陽あたりのよい立場茶屋が、山ふところの田圃へ向って、牛のわらじや、駄菓子などをひさいでいる。城太郎は、そこの前に立ってお通を待っていた。

お通が、

「武蔵様は」

と、訊ねながら、立場茶屋の前にがやがや群れている人々のほうを、じっと見ると、

「いないンだよ」

と、城太郎は、気抜けしたようにいい放って、

「どうしたんだろ?」

「え……」

お通は、信じないように、

「そんなこと、ないでしょう」

「だって、どこにも、いないもの。――立場茶屋の人に聞いても、そんなお侍は見かけないというし……きっとなにかの間違いだよ」

と城太郎は、そう落胆もしない顔つきなのである。

独りぎめに、思い過ごした歓びにはちがいないが、そう無造作に片づけられると、