후리가나로 읽는 일본 고전
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かきのたね
柿の種
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 柿の種(かきのたね)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 70,202자 · 139화면
以上の事実はいろいろな意味で記録しておく価値があると思われる。
ずっと前にアインシュタインが来朝したときのことをいろいろ思い出す中に一つあまり従来記録されていないと思うきわめて興味ある現象がある。
アインシュタインが大学内を歩いているときにはいつでも、その後ろに学界の長老たちが影のように附き添って歩いていた。集会の席でも護衛兵のように引き添って立ったりすわったりしていた。珍客を遇する礼として当然のことと思われた。自分らのような弱輩のものがこの碩学に近づいて何か話でもしようと思うと、その護衛のかたがたの中には急に眼を見張りあるいは眉を顰めてその近よるものが何を言い出すかといったような緊張と不安の表情を正直に露出する人もあった。それでたいていの気の弱いものは近寄りたくても近寄れないで遠方からながめるだけであった。なるほど弱輩なものが突拍子もないまずい質問をしたりしては失礼にもなるしまた日本の学界の恥辱になるという心配もあることであろうと思われたことであった。
それから後は、もう西洋から有名な学者が来てもあまり近よらないことにした。第一言語が不随意で思ったことの三分一も言えず先方のいうこともどれだけわかったかわからないかさえわからないからわざわざ危険を冒して近よることもないと思ったのである。