후리가나로 읽는 일본 고전
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かきのたね
柿の種
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 柿の種(かきのたね)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 70,202자 · 139화면
虫類はそれらの穴のまわりに群がっているのである。
人間の眼には、おぞましく気味の悪いこの樹幹の吹き出物に人間の知らない強い誘惑の魅力があって、これらの数多くの昆虫をひきよせるものと見える。
私は、この虫の世界のバッカスの饗宴を見ているうちに、何かしら名状し難い、恐ろしいような物すごいような心持ちに襲われたのであった。(大正十二年九月、渋柿)
*
震災の火事の焼け跡の煙がまだ消えやらぬころ、黒焦げになった樹の幹に鉛丹色のかびのようなものが生え始めて、それが驚くべき速度で繁殖した。
樹という樹に生え広がって行った。
そうして、その丹色が、焔にあぶられた電車の架空線の電柱の赤さびの色や、焼け跡一面に散らばった煉瓦や、焼けた瓦の赤い色と映え合っていた。
道ばたに捨てられた握り飯にまでも、一面にこの赤かびが繁殖していた。
そうして、これが、あらゆる生命を焼き尽くされたと思われる焦土の上に、早くも盛り返して来る新しい生命の胚芽の先駆者であった。
三、四日たつと、焼けた芝生はもう青くなり、しゅろ竹や蘇鉄が芽を吹き、銀杏も細い若葉を吹き出した。
藤や桜は返り花をつけて、九月の末に春が帰って来た。