일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かきのたね

柿の種

寺田 寅彦

寺田 寅彦의 柿の種(かきのたね)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 70,202자 · 139화면

아오조라 문고

猫を連れて行く、という一くだりが、ほんの些細な挿話として点ぜられている。

この二つの挿話から、私は猫というものに対するこの著者の感情のすべてと、同時にまた、自然と人間に対するこの著者の情緒のすべてを完全に知り尽くすことができるような気がした。(昭和四年十一月、渋柿)

*

上野松坂屋七階食堂の食卓に空席を捜しあてて腰を下ろした。

向こう側に五、六歳の女の子、その右側には三十過ぎた母親、左側には六十近いおばあさんが陣取っている。

純下町式の三つのジェネレーションを代表したような連中である。

老人は「幕の内」、母子はカツレツである。

母親が給仕にソースを取ってくれと命ずると、おばあさんが意外にも敏捷に腕を延ばして、食卓のまん中にあったびんを取っておかみさんの皿の前へ立てた。

「ヤーイ、オバアちゃんのほうがよく知ってら。」

私が刹那に感じたと全く同じ事を、子供が元気よく言い放って、ちょこなんと澄ましている。

母親はかえってうれしそうに

「ほんとう、ねええ。」

そんな相槌を打って皿の中の整理に忙しい。

おばあさんの顔と母親の顔とがよく似ているところから見ると、これはおかみさんが子供をつれての買い物のついでに、里の母親を誘って食堂をふれまうという場面らしい。