일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かきのたね

柿の種

寺田 寅彦

寺田 寅彦의 柿の種(かきのたね)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 70,202자 · 139화면

아오조라 문고

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昨年九月の暴風雨で東京の街路樹がだいぶいじめられた。たぶんいわゆる「塩風」であったためか、樹々の南側の葉が焦げたように黒褐色に縮れ上がって、みじめに見すぼらしい光景を呈していた。丸の内の街路の鈴懸の樹のこの惨状を実見したあとで帝劇へ行って二階の休憩室の窓からお堀の向こう側の石崖の上に並んだ黒松をながめてびっくりした。これらの松の針葉はあの塩風にもまれてもちっとも痛まないばかりかかえってこの嵐に会って塵埃を洗い落とされでもしたのか、ブラシでもかけたかと思うようにその濃緑の色を新鮮にして午後の太陽に照らされて輝いているように思われた。

日本の海岸になぜ黒松が多いかというわけがはじめてはっきりわかったような気がしたのであった。

国々にそれぞれ昔から固有なものにはやはりそれぞれにそれだけのあるべき理由があるのである。

*

昭和九年の十一月中旬には東京の丸の内のところどころの柳が青々として風になびいていた。その一方で銀杏はもうすっかりその黄葉をふるい落としているのであった。

十月には武蔵野のどこかで桜が返り咲きに満開したそうである。