후리가나로 읽는 일본 고전
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
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N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 119,451자 · 236화면
三十三
それでけろりとした顔をして、外を見ていながら、時々帰りを促した。
「こう云う落着のない子ですから、お骨も折れましょうが、厳しく仰ゃって、どうか駆使ってやって下さい」母親はじろりとお島を見ながら言った。
鶴さんは感激したような調子で、弁るだけのことを弁ると、煙管を筒に収めて帰りかけた。
「何を言っていたんです」お島は外へ出ると、いらいらしそうに言った。「あの御母さんに、商売のことなんか解るものですか。人間は牛馬のように駆使いさえすれあ可いものだと思っている人間だもの」
三十三
夏の暑い盛りになってから、鶴さんは或日急に思立ったように北海道の方へ旅立つことになった。気の早い鶴さんは、晩にそれを言出すと、もうその翌朝夜のあけるのも待かねる風で、着替を入れた袋と、手提鞄と膝懸と細捲とを持って、停車場まで見送の小僧を一人つれて、ふらりと出ていって了った。三四箇月のあいだに、商売上のことは大体頭脳へ入って来たお島は、すっかり後を引受けて良人を送出したが、意気な白地の単衣物に、絞の兵児帯をだらりと締めて、深いパナマを冠った彼の後姿を見送ったときには、曽て覚えたことのない物寂しさと不安とを感じた。