후리가나로 읽는 일본 고전
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
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N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 119,451자 · 236화면
暑い盛りの八月も過ぎて、東京の空には、朝晩にもう秋めかした風が吹きはじめていた。
鶴さんの話によると、帰りの遅くなったのは、東北の方にあるその生れ故郷へ立寄って、年取った父親に逢ったり、旅でそこねた健康を回復するために、近くの温泉場へ湯治に行っていたりした為だというのであったが、それから程なく、鶴さんの留守の間に北海道から入って来た数通の手紙の一つが、旅で馴染になった女からであることが、その手紙の表記でお島にも容易く感づけた。
帰ってからも、そっちこっち飛歩いていて、碌々旅の話一つしんみり為ようともしなかった鶴さんが、ある日帳簿などを調べたところによると、お島はお島だけで、留守中に可也販路を拡めていることが解って来たが、それは率ね金払いのわるいような家ばかりであった。これまでに鶴さんが手をやいた質の悪い向も二三軒あったが、中にはまたお島が古くから知っている堅い屋敷などもあった。お島は少しでも手繋のあるようなそれ等の家から、食料品の註文を取ることが、留守中の毎日々々の仕事であったが、品物ばかり出て勘定の滞っているのが、其方にも此方にも発見せられた。