후리가나로 읽는 일본 고전
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
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N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 119,451자 · 236화면
三十七
ねえ、ちょいとお安くないじゃないの」
姉は植源の嫁から聞いたと云うその女の噂を、こまごまと話して聞した。
「それに鶴さんは、着物や半衿や、香水なんか、ちょいちょい北海道へ送るんだそうだよ。島ちゃん確りしないと駄目だよ」姉はそうも言った。
「何に」と思って、お島は聞いていたのであったが、女にどんな手があるか解らないような、恐怖と疑惧とを感じて来た。
三十七
植源の嫁のおゆうの部屋で、鶴さんと大喧嘩をした時のお島は、これまで遂ぞ見たこともないようなお盛装をしていた。
お島が鶴さんに無断で、その取つけの呉服屋から、成金の令嬢か新造の着る様な金目のものを取寄せて、思いきったけばけばしい身装をして、劈頭に姉を訪ねたとき、彼女は一調子かわったお島が、何を仕出来すかと恐れの目をった。看ればハイカラに仕立てたお島の頭髪は、ぴかぴかする安宝石で輝き、指にも見なれぬ指環が光って、体に咽ぶような香水の匂がしていた。
旅から帰ってからの鶴さんに、始終こってり作の顔容を見せることを怠らずにいたお島の鏡台には、何の考慮もなしに自暴に費さるる化粧品の瓶が、不断に取出されてあった。夜臥床に就くときも、色々のもので塗りあげられた彼女の顔が、電気の灯影に凄いような厭な美しさを見せていた。